母子家庭貧困女子愛犬のための一軒家選択の是非

当時、アラフォー貧困女子母子家庭シングルマザーのNさん。まったく化粧っ気がなく、いつもすっぴん。口を大きく開けて笑う顔がとても印象的な女性でした。彼女は一人息子と愛犬と一緒に一軒家で生活していましたが、それも長くは続かずついに破たん寸前に。

認知はしてもらわなかった

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Nさんはシングルマザーですが、結婚はせず、相手の男性にも子どもの認知はしてもらわなかったそうです。
 

なぜ、してもらわなかったの?
してもらえないわけではなかったのでしょう?
 

そう聞くと、一瞬表情を曇らせ、でも何かを吹っ切るようにキリリと『子どもが出来たことを報せなかった。』と早口で一気に言い終えました。
 

要するに、未婚の母です。
 

その道を選ぶのは、女性として本当に勇気の要ることだと思いますが、Nさんは後になって『子どもがね、どうしても欲しかった。』そう打ち明けてくれました。誰も好き好んで母子家庭になる道を選んだりはしません。並々ならぬ思いがそこにはあったのだと思います。

当時は「貧困女子」なんて言葉はありませんでしたが、彼女はかなりの貧困だったと思います。

2000円が払えない

Nさんを含む友人達と飲み会があった時のことです。子どもがいますから、夕方早い時間から食事を中心にした飲み会で会費は2000円。持ち合わせがないというNさんの代金を立て替えて払いましたが、それが返ってくることはありませんでした。

もちろん、わかっていて最初からそういうことをするようなNさんではありません。本当に払えなかったんだと思います。
 

母子手当を受給するには一定の条件があります。例え満額受給できたとしても、シングルマザーが誰にも頼らずに一人で働きながら子どもを育てるのは、男性並みの収入が無い限り、かなり厳しい現実があるのです。

児童扶養手当(母子手当)だけでは厳しい現実

児童扶養手当(母子手当)を受給するには、所得を始め、いろいろな制限があります。例えば、実家の家族と同居であれば、別棟に住むなど線引きをハッキリさせないと、いくら生活費は別会計と訴えても認められない場合もあります。
 

全部支給であっても、子ども1人約4万(/月)です。
 

子どもが小さいうちは、風邪をひいたり熱が出れば、保育園に預けることができず、仕事を休まなければなりません。いくら融通の利く会社に勤めていたとしても、それが度々続くようであれば、だんだん居づらくなるものです。実家が近いとか、そういう恵まれた環境があればまだいいですが、誰にも頼ることができない場合、「普通に働く」ことさえままならなくなることがあります。

Nさんはまさに、養育費もない、誰にも頼れない、そんな状況下で懸命に子育てをしていました。

愛犬のための一軒家選択の是非

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母子家庭で貧困女子Nさんの財政事情を圧迫していた一つの原因に「家賃」があったと思います。

母一人子一人の母子家庭ですから、そこまで広い部屋は必要ないと思いますし、いろいろな出費を考えれば家賃と言うものは極力節約したい部分です。しかし、なんとNさんは、一軒家に住んでいました。

しかも、愛犬と一緒に。
 

Nさんに聞いてみると、

『犬は私たちに絶対に必要な存在なの。手放すとかあり得ない。そのために一軒家を選んだのよ。』

犬を飼うのが悪いとか、そいういうことではありません。でも、かなり厳しい経済状況下で、子どもの成長と共にお金もどんどん必要になる中で、お財布を直撃する家賃の額は大問題かと思います。

それでも、彼女にとっては愛犬との暮らしの方が大切だと言います。
 

私は今でこそ、大好きな猫と暮らしていますが、貧困女子だった頃は、そうしたくとも出来ない、十分なことをしてあげられないのであれば、やはり無責任に飼うことはできない、そう思っていました。

結局・・・

Nさんに限界が訪れました。

風邪をこじらせているのに病院へ行かず、寝れば治ると言い張っていたNさんの体調が急変。肺炎を発症しており入院。子どもの世話、犬の世話、友人や近所の方々で交代であたりました。
 

退院後、Nさんは『もう限界だわ・・自分のせいでみんなに迷惑かけてしまった。。』泣きそうな顔で、お世話になった人に深々を頭を下げてまわっていました。

その後、Nさんは『このままでは、私もこの子もダメになる。』と、実家へ帰ることを決意。愛犬の引き取り先も決まり、Nさんはとても寂しそうでした。

実家の親御さんには子どもがいることは伝えていなかったといいます。母子家庭・未婚の母という道を自分で選んだからこそ、自分の力だけでがんばりたかったNさん。
 

その後、しばらくして彼女から手紙が届きました。

『もっと早くこうしていれば良かった。子どもが本当にのびのびしているの。こんな笑顔、見たことなかった。知らず知らずのうちに、私は子どもにも心配やストレスをかけていたのがわかったわ・・。』

そう綴られていました。

母子家庭の生活不安、貧困などの経済的不安は、母親だけでなく、子どもにも深刻な影響を与えるということですね。